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ネイティブアメリカンとの文化交流

 浅葉さんとネイティブインディアンの出会いは一枚の絵だった。砂漠の中で毛布をかぶりたたずむ女性の絵。その安らかさと静けさはいったいどこからくるのだろうか?−それ以来ネイティブインディアンに思いをはせるようになったという。横浜で20年以上続けてきた子供の造形教室のなかで感じた子供達の変化、「目の輝きを失った子供達」に何かしなくてはいけない。いったい何ができるのだろうか?そして1991年、彼女はアートセラピーを勉強するために、そしてネイティブインディアンの精神文化に触れるためにアメリカヘ向かった

 コロンブスが大陸を発見をした1492年から半分近く減ってしまったが、現在270ほどネイティブインディアンの部族がアメリカに点在している。それらの村を巡り、人と出会い、生活を目で見て歩いた。長い歴史を経てアメリカの大地とともに育まれた彼らの伝統や生活を感じ、また突然やってきた白人たちのルールに呑みこまれアイディンティティーが崩壊しつつある彼らの現実も知った。それと戦い、取り戻そうとする民族としての葛藤に彼らは労力をおしまない。なぜなら、「人と自然の調和の精神」は民族に受け継がれていく大切な教えだということを彼らは知っているからだ。彼らは7世代先のことを考えて行動する。祖先から子孫へ、歴史も文化も自然も、今生きている者のためだけではない。私たちはいつでも「グレートスピリッツ」に包まれて生きている。そんな祖先からの教えを実践しているかれらの生活の中に、日本の社会が見失ってしまった「自然との共存の精神」が生きている。

 日本にいる子供達にネイティブインディアンの生活を実際に見て、体験させたい。そんな浅葉さんの強い思いがたくさんの人々の心に響き、実を結んだ。1993年、21人の日本人の子どもを含む「ネイティブアメリカン子ども絵画交流使節団」の一行はロサンゼルス空港に降り立った。異文化の生活や人々にあたたかく迎えられ、見たこともない大自然で遊び、彼らの精神こ触れ充実した時間を過ごした。1994年には18人の子どもを含むプエブロインディアン交流使節団が来日し、驚きと喜びの日々を過ごした。この異文化交流の体験は、関わった両国のたくさんの人々に、「異文化への敬意やおどろき」、「自分の社会への気付き」、「言葉でない心の交流」、そして「求めれば必ず道は開ける」という勇気を分かち合うこととなった。人々の心のなかに植えついた希望の種はゆっくりとそれぞれの場所で美しい花を咲かせている。

 その後も、ネイティブインディアンとの様々な交流や精神生活・文化に触れ、1995年4年間のアメリカ滞在に終止符をうった。信じること、それを実現させること、そして私達を包んでくれる自然への感謝の祈り。彼女の心に深く根付いたネイティブインディアンの教えは、現在、日本での子供の造形教室やワークショップ、エジプトをはじめ様々な異文化交流活動、そして地域アートイベント「金沢文庫芸術祭」などを通して、今までもこれからも、そしてたくさんの人々へ広がっていくのだろう。

文章:熊谷亜矢2005
ARTCAFE[神奈川県・葉山]HPのワークショップ紹介より

 


 

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